https://www.nasa.gov/mission_pages/station/research/news/3Dratchet_wrench
国際宇宙ステーションで世界で初めて医療用器具を3Dプリンターで製造することになり、話題になっている。
国際宇宙ステーションでは2014年にアメリカのベンチャー企業メイド・イン・スペースが人類発の宇宙用3Dプリンター「ゼロ・グラビティ」を設置し、以後各種の部品製造などに利用されている。今回製造されるのは指の骨折の際に使われる医療用添え木部品。
プロジェクトを進めているのはメイド・イン・スペース創業者の友人で医師のジュリエリン・ワング博士。博士によると宇宙で怪我をしたりや病気になる事は宇宙飛行士にとって致命的で、特に治療に医療機器が必要になった場合、宇宙船による物資の配送を待たねばならなくなる。
ワング博士は、例えば指を骨折した場合、宇宙飛行士の宇宙服から指の形状をスキャンし、CADソフトウェアで添え木部品を設計、国際宇宙ステーションへファイルを送って3Dプリンターで出力する実験に取り組んでいる。予定では今月中に世界で初めて宇宙空間で医療用器具が製造される見通しという。
国際宇宙ステーションにはメイド・イン・スペースが設置した3Dプリンターに加え、今年には欧州宇宙機関(ESA)が独自に開発した宇宙用3Dプリンターの設置が予定されている。宇宙空間での3Dプリンターの活用がさらに進む年になりそうだ。