ビヨンド・ミートが実施したデット・フォー・エクイティ・スワップとは何か?

アメリカの大手代替肉メーカーでNASDAQ上場のビヨンド・ミートが、8億ドル(約1240億円)相当の債務をデット・フォー・エクイティ・スワップ(DES)で株式に転換したことが注目を集めている。上場企業のみならず、未上場企業においても稀に実施されるデット・フォー・エクイティ・スワップとは、どのような金融手続きなのであろうか。

デット・フォー・エクイティ・スワップは通常、相応の負債を有する企業が負債から来る負担を削減または回避するために行われる。ビヨンド・ミートの場合、今年から2027年までに償還期限を迎える長期負債のウェイトが高く、手持ちのキャッシュでは返済できない可能性が生じていた。デット・フォー・エクイティ・スワップにより債務を株式に転換することで元金償還と利払いの必要がなくなり、負担が大きく軽減される。

ビヨンド・ミートに対して貸付を行っている債権者にとってもデット・フォー・エクイティ・スワップはメリットがある。最大のメリットはキャッシュ不足によるデフォルトを避けられ、経営破綻のリスクを減少させられることだ。また、新たに株主になることでビヨンド・ミートに対するオーナーシップを獲得することもメリットだ。

いずれにせよデット・フォー・エクイティ・スワップは、債務超過や債務過多に陥った企業を救済するための再生ファイナンススキームとして行われるのが一般的だ。デット・フォー・エクイティ・スワップを実施したビヨンド・ミートの今後の展開を、新株主を含む多くの利害関係者が見守っている。