裁判所に自己破産を申し立てたスペインの3DプリンターメーカーBCN3Dの経営破綻の状況が明らかになってきた。スペイン現地メディアの報道によると、BCN3Dが自己破産を申し立てたのはバルセロナの第三商業裁判所で、ルイス・ジメネズ・ソトメイヤー氏が破産管財人に選任されたという。
破産申立てと共に提出された書類によると、BCN3Dの直近の売上高は500万ユーロ(約8億25000万円)程度で、累積赤字は1000万ユーロ(約16億5000万円)に達していたという。
BCN3Dに対しては、複数のスポンサー候補企業からBCN3Dの資産を買い取りたいと言うオファーが出されている。オファーの中にはBCN3Dの営業用資産とともに、全従業員を継続して雇用するオプションを提示している企業もあるとしている。
アディティブ・マニュファクチャリング業界に詳しい専門家によると、BCN3Dは負債をバランスシートに残して資産と営業権を第三者へ譲渡する営業譲渡方式による事業再生を行う可能性が高いとしている。その場合、既存のBCN3Dは事業を精算して解散するが、営業権を引き継いだスポンサー企業が「新BCN3D」として事業を継続するかたちになるとしている。