ドイツのラージフォーマット3Dプリンターメーカーのヴォクセルジェットが、間もなく企業再生手続きを申請するとの報道が広がっている。ドイツ現地メディアの報道によると、ヴォクセルジェットはドイツの法的企業再生手続きのStaRUG法を申請し、既存債務のオフバランスなどを行った上で事業継続を目指すとしている。
StaRUG法は、破産手続きを申し立てずに債務免除などを行う企業再生スキーム。
ヴォクセルジェットを巡っては、アメリカのハイテク投資ファンドのAnzuパートナーズによる買収が進められていた。当初の計画では、Anzuパートナーズはヴォクセルジェットの株主に一株0.29ユーロの現金を支払い、同社を買収するとしていた。
しかし、今年2025年4月30日に開催された臨時株主総会において、ヴォクセルジェットの株主の過半数がAnzuパートナーズによる買収を否認し、決議は了解されなかった。
Anzuパートナーズはヴォクセルジェットの株主に対し、ヴォクセルジェットに対する350万ユーロ(約5億9150万円)の債務免除と、250万ユーロ(4億2250万円)の新株発行による再生プランを新たに提示している。
Voxeljetは1999年にミュンヘン技術大学発のスピンオフベンチャー企業として誕生したラージフォーマット3Dプリンターメーカー。砂型造形用大型3Dプリンターなどを製造しているほか、自社の3Dプリンターを使ったオンデマンド3Dプリンティングサービスなどを提供している。