ナノ・ディメンションの取締役五名が辞任

イスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションの取締役五名が株主総会で辞表を提出し、即日辞任した。2024年12月6日に開催されたナノ・ディメンションの年次株主総会で辞任したのはヨアヴ・ニッサン-コーエン氏、エイタン・ベン-エリアフ氏ら五名。ヨアヴ・スターンCEOと緊密な関係にあるとされる取締役五名の辞任の背景には、ナノ・ディメンション筆頭株主のカナダの投資企業マーチンソンの意向が反映されていると見られている。

取締役五名が辞任したことにより、ナノ・ディメンションの取締役会は現在四名の取締役で構成されている。取締役会会長にはバハラヴ・ロバート・ポンズ氏が選任された。

マーチンソンは、ナノ・ディメンションの発行済み株式の7.1%を保有する大口株主。ナノ・ディメンションが行ってきたデスクトップメタル、マークフォージドなどの3Dプリンターメーカーの一連の買収戦略に対して否定的な姿勢を示していたことで知られている。

また、ヨアヴ・スターンCEO率いる取締役グループはマーチンソンによる過度な経営への関与に対して否定的な発言をするなど、対抗姿勢を露わにしていた。ナノ・ディメンションに近いある関係者は、取締役五名の辞任により、ヨアヴ・スターンCEOに近い取締役と反対する立場にいる取締役との対立が激化する可能性が高いと予想している。