リラティビティ・スペースが財務危機に直面か

カリフォルニア州ロングビーチに拠点を置くロケットメーカーのリラティビティ・スペースが財務危機に直面しているとブルームバーグが報じている。報道によると、リラティビティ・スペースは運転資金が不足しており、「キャッシュが少ない中でのオペレーションを余儀なくされている」とされている。

一方、リラティビティ・スペースのコミュニケーションチームメンバーのサラ・ローソン氏は「リラティビティ・スペースはテランRロケットの開発と打上げに完全にコミットしており、2026年度の初打上げに向けて全力を傾けてゆきます」とコメントし、主力ロケットのテランRロケットの開発が順調であることを示唆している。

テランRロケットは、2023年3月に打上げられた中型ロケットテラン1ロケットの後継機種で、リラティビティ・スペースが現在メインに開発しているロケット。テラン1ロケットは打上げに成功したものの、予定されていた周回軌道への衛星投入に失敗していた。

ブルームバーグは、リラティビティ・スペースが財務危機の克服に失敗した場合、アメリカの宇宙開発にかかるサプライチェーンの維持に少なからぬ影響を与えると注意を促している。

リラティビティ・スペースは、2016年にジェフ・ベゾス氏が設立したロケットメーカーのブルーオリジン出身のティム・エリス氏とジョーダン・ヌーン氏が設立したロケットメーカー。同社の主力のテランRロケットは、ロケット本体とエンジンの主要部品を3Dプリンターで製造している。