イタリアの3DプリンターメーカーのRobozeと、日立傘下の鉄道メーカーの日立レールがパートナーシップ契約を締結した。現地メディアの報道によると、日立レールはRobozeのフラッグシップモデルARGO 500シリーズを同社のイタリア・ナポリ工場とアメリカのメリーランド工場にそれぞれ導入し、ULTEM9085やカーボンPEEKなどのエンジニアリング素材を活用して鉄道車両用パーツを製造するとしている。
鉄道車両の製造には大量のパーツが必要とされるが、それぞれのパーツ製造にかかるコストと製造時間が構造的で恒久的な問題とされていた。3Dプリンターでのパーツ製造に切り替えることにより、コストと製造時間が大幅に削減できると関係者は期待を寄せている。
日立レールはアメリカ・メリーランド州に7000万ドル(約106億4000万円)を投資し、同社の最新シリーズの8000シリーズの生産を開始する予定。
日立レールのシリーズ8000は日立レールの最新シリーズで、メリーランド州ワシントン郡に建設中の新工場で製造する予定の次世代地下鉄車両。旧型の2000シリーズなどの置き換えと輸送力増強を目的として、最大800両が増備される予定
日立レールは、株式会社日立製作所の鉄道システム事業における海外グループ会社。世界51ヶ国で事業を展開し、鉄道の製造や運航管理システム事業などを行っている。