ニコンがドイツのハイエンドメタル3DプリンターメーカーのSLMソルーションズを買収すると発表した。ニコンの2022年9月2日の発表によると、ニコンはSLMソルーションズの新株(発行済み株式の10%相当)を4500万ユーロ(約63億円)で取得し、その後株式と転換社債6億2200万ユーロ(約870億円)分を公開で買い付ける。買付価格は1株あたり20ユーロ(約2800円)で、2023年6月までに買付を終了するとしている。
SLMソルーションズのサム・オレアリーCEOは、「ニコンは最先端光学テクノロジーの開発企業として一世紀以上の歴史を持っています。SLMソルーションズがニコンのパートナーとしてテクノロジーリーダーシップポジションをさらに広げて行けることにエキサイトしています。今回の契約とパートナーシップは、株主、従業員、顧客の、すべてのステークホルダーに非常に大きなメリットをもたらすと信じています」とコメントしている。
ニコンの発表によると、SLMソルーションズは、航空宇宙や自動車などの産業セクターにユーザーを多く抱え、これまでに750台以上のメタル3Dプリンターを納入してきている。SLMソルーションズのユーザーにはNASA、エアバス、ボーイング、ロールスロイス、ブルーオリジン、ポルシェ、BMW、フォルクスワーゲンなどが含まれている。
SLMソルーションズに対しては、これまでにGE傘下のGEアディティブが買収を持ちかけた経緯があるが、SLMソルーションズの大株主の反対により頓挫している。