アメリカの2020年度のSPAC(特別買収目的会社)による上場企業が248件に到達していたことが分かった。今年2021年度の件数は第一四半期終了時点で296件に達し、去年を大幅に上回るペースとなっている。
SPACを通じて上場した企業の中には3Dプリンティング関連企業も多く含まれている。昨年12月に3Dプリンターメーカーのデスクトップメタルが上場したのを皮切りに、これまでにVELO3D、マークフォージドなどの3DプリンターメーカーがSPACを通じて上場している。また、3Dプリンターでロケットを製造しているロケット・ラブや、宇宙用3Dプリンターを製造しているレッドワイヤーなどもSPACを通じて上場している。
証券アナリストのジム・リチウティ氏は、「SPACは一般投資家に安定したリターンをもたらすので、人気の投資先となっています。特に元々ベンチャーキャピタルなどへ投資していた投資家が好んでテック系企業へ投資をします。また、SPACの多くは3Dプリンター企業の買収に特にフォーカスしています。3Dプリンター市場の将来的な成長を期待しているからです」とコメントしている。
SPACを通じた株式上場は、通常のIPO(新規株式上場)のような煩雑な事務手続きが必要なく、さらに上場コストも削減できるため、近年多くの企業が上場手段として活用している。株式市場関係者の多くは、特に3Dプリンター、AI、ロボティクスなどのテック系企業がSPACを通じて上場してくると予想している。