ドイツのポリマーメーカーのコベストロによる、オランダの化学メーカーのDSMの樹脂・機能性素材事業部の買収が完了した。この買収により、DSMの「Somos」ブランドのすべての製品と従業員がコベストロへ移籍する。
コベストロへの移籍について、元DSMのハードウェア・パートナシップ・マネージャーのアンドリュー・グレイブス氏は、「DLP3Dプリンターの世界では、プリンターそのものが非常に小さいということが大きな課題でした。一方で、ユーザーはより大きなサイズのモノづくりを望んでいます。DLP3Dプリンターを4Kや8Kに対応させ、LCDプリンターなどを使うことで、もっと大きなサイズのモノづくりが可能になります。我々のポリマーエンジニアリングの経験を、DLPとLCDプリンターの世界で活かせると思います」とコメントしている。
DSMの樹脂・機能性素材事業部はオランダのゲレーンに拠点を置き、主にDLP3Dプリンター用機能性樹脂を製造している。コベストロによる買収は昨年発表され、今日まで買収に伴う移行作業が行われていた。DSMは、1980年代から「Somos」のブランドで各種の機能性樹脂を開発し、世界中のDLP3Dプリンターユーザーに供給している。
コベストロは2015年設立。ドイツの化学メーカー大手バイエルのマテリアルサイエンス事業部がスピンアウトして設立された。主にポリウレタン原料やポリカーボネートなどを製造している。