アメリカの3Dプリンターメーカーで、ニューヨーク証券取引所上場のデスクトップメタルの株価が下落している。デスクトップメタルは、昨年12月にSPAC(特別買収目的会社)のトライン・アクイジション・コーポレーションと合併し、ニューヨーク証券取引所への上場を果たした。上場時のIPO価格は12.80ドルで、上場後24ドル台まで上昇していた。同社株価はその後、乱高下しながら値上がりし、今年2月8日には33.50ドルまで上昇していた。ところが3月に入ると値を下げ始め、本記事執筆時点(2021年4月12日)では14.12ドルで取引されている。
デスクトップメタルは、先月3月15日に2020年度決算を発表した。それによると、同社の2020年度売上高は1650万ドル(約18億1500万円)で、前年から38%のマイナスとなった。また、経常収支は9040万ドル(約99億4400万円)の大幅な赤字となった。部門別の売上高では、3Dプリンター製品の売上高が1370万ドル(約15億700万円)で、前年から40%のマイナスとなった。
市場関係者は、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大により、デスクトップメタルのユーザーが同社製品の導入を延期したりキャンセルするケースが増加していると指摘している。
デスクトップメタルの競合企業のスリーディーシステムズとストラタシスも、先月一カ月間に株価をそれぞれ25%程度下げている。