先週発表されたGEによるメタル3DプリンターメーカーのアーカムとSLMソリューションズ買収の波紋が広がっている。
GEは総額14億ドル(約1,400億円)を投じて両社を買収したが、直近の売上はアーカムが6,800万ドル(約68億円)、SLMソリューションズが7,400万ドル(約74億円)に過ぎない。3Dプリンター業界の一部関係者の間ではGEによる両社の評価が高すぎるとの声も出ている。
一方、GEはこれまでに自社航空機エンジン製造用に15億ドル(約1,500億円)を投じ、最新の3Dプリンティング技術を導入してきた。3Dプリンターへの投資により、航空機エンジンの製造コストを30億ドル(約3,000億円)から50億ドル(約5,000億円)削減出来ると見込んでいる。
GEでは現在開発中の最新型LEAPジェットエンジンの製造に3Dプリンターを用いる事で従来よりも25%軽量化する事が可能としている。軽量化の結果、燃費も15%改善されるという。
2020年までにGEは年間40,000の燃料ノズルを3Dプリンターで作る予定で、1,000台のメタル3Dプリンターを稼働させるとしている。今回のアーカムとSLMソルーションズ買収の背景には、航空機エンジン製造における3Dプリンターの比重を高めるGEの製造能力確保という現実的な目的があるものと思われる。