オーストリアのデザイナーが食品廃材でテーブルウェアを製造し、話題になっている。現地時間の先週ウィーンで開催された「ウィーン・デザインウィーク」で公開されたテーブルウェアは、飲食店などで廃棄された食品廃材を素材に3Dプリンターで製造された。
テーブルウェアを製造したウィーン在住のデザイナー、バーバラ・ゴラックナー氏は、「素材には、廃棄された豚の皮などが多く使われています。オーストラリアの精肉業界では毎年多くの豚の皮が廃棄されています。単純に食品廃材として捨てられてしまうよりも、何かに活用できないかと考えました」と説明している。
国連環境プログラムによると、毎年世界で生産されている食料の三分の一が食品廃材として廃棄されており、その数量は13億トンにも上るという。特にヨーロッパやアメリカなどの先進国でのフードロスが顕著で、小麦換算で年間2億3千万トン分の食料が廃棄されている。オーストリアでも、毎年9000万トンの食料が廃棄されている。
フードロスを削減しようという機運は世界的に高まっているが、食品廃材をテーブルウェアにリサイクルするケースは珍しい。フードロス削減へ向けたひとつの啓蒙活動として今後の展開が注目される。