SLS3Dプリンターの父カール・ロバート・デッカード氏が死去 亡くなったカール・ロバート・デッカード氏(左)

SLS(Selective Laser Sintering)3Dプリンターの父とされるカール・ロバート・デッカード氏が、昨年12月23日に死去していたことがわかった。58歳だった。

デッカード氏は、テキサス大学機械工学部在学中にパウダー状にした素材にレーザーを照射して積層造形するアイデアを思いついた。その後、同氏はジョー・ビーマン教授の支援を得ながら開発を進め、1986年頃までに基本技術の開発に成功した。やがて米国立科学財団などから助成金も獲得し、世界初のSLS3Dプリンターの開発に成功した。

デッカード氏はその後、SLS3Dプリンターのサービスビューローとなるデスクトップ・マニュファクチャリング社を共同創業し、企業ユーザーにラピッドプロトタイピングやラピッドマニュファクチャリングのサービスを提供した。同社は2001年に、4500万ドル(約48億6千万円)のバリュエーションをもってスリーディーシステムズに買収された。

同氏はその後もSLS3Dプリンターの改良を続け、同時にSLS3Dプリンターに関連する27もの特許を取得した。同氏は、業界雑誌インダストリー・ウィークのマニュファクチャリング・ホールオブフェイムに選出されたほか、ソサエティ・オブ・マニュファクチャリング・エンジニアーズのマスター・オブ・マニュファクチャリングに選定されている。同氏は、2016年にアディティブ・マニュファクチャリング・ユーザーグループ(AMUG)の発明家賞を受賞している。