セレンディクスが広島県で3Dプリント住宅の実証実験を実施

日本発の本格的3Dプリント住宅メーカーのセレンディクスが、広島県坂町で「3Dプリンター住宅建設技術」の実証実験を行い、話題を集めた。実証実験が行われたのは広島県坂町にあるベイサイドビーチ坂。新たなデジタル技術やビジネスモデルを活用し、産業や地域における課題解決に向けた実証活動などを支援する「ひろしまサンドボックス」の一環として行われ、イベント時の休憩や展示に使える建物が実際に建設された。

3Dプリント住宅はセレンディクスの工場に設置された建設3Dプリンターで主要パーツが造形され、現地で組み合わせて建設された。また、建設資材には大林組が開発した高強度繊維補強コンクリート「スリムクリート」が使用された。

スリムクリートは超高強度の鋼繊維を含んだ、単独または構造物として使用できるセメント材料。3Dプリンターで出力した躯体の内部に充てんすることで、鉄筋や鉄骨を使わずに高強度を実現できるのが特徴。従来の工法よりも人件費や作業コストが削減できるメリットがあるとされる。

セレンディクスは2022年3月に日本初の3Dプリンター住宅serendix10(スフィアモデル)を23時間で完成以降、2023年5月には一般販売棟第1号であり商用初となる佐久棟、先月末には日本初の二人世帯向け3Dプリンター住宅 serendix50(フジツボモデル)を愛知県小牧市に竣工させ、3Dプリンティング技術を用いた住宅課題解決に取り組んでいる。