https://techcrunch.com/2016/04/26/vector-space-systems-aims-to-launch-satellites-by-the-hundreds/
アメリカのロケット開発ベンチャーのベクター・スペースシステムズが、小型ロケットベクターR試験機の打ち上げに成功した。
ジョージア州アトランティックコースト近くにあるスペースポート・カムデンから打ち上げられた。
試験機の打ち上げの最大の目的はベクターRに使われたエンジンインジェクターの動作をテストすること。ベクターRのエンジンインジェクターは、NASAのマーシャル宇宙フライトセンターのリサーチプログラムとの共同プロジェクトとして3Dプリンターで製造された。
エンジンインジェクターはユニボディデザインで、一つのパーツとして3Dプリンターで製造された。ワンパーツとして製造されることで、複数のパーツを組み合わせて作る際に生じるフリクションなどのエラーの発生を防止し、さらにはコストと製造時間を下げるメリットが生じる。
試験機は高さ1万フィート(約3000メートル)の高さまで打ち上げられ、パラシュートで降下した。試験機にはNASAなどの複数の試験装置が搭載されているという。
近年世界中でロケット開発ベンチャーが立ち上がっているが、多くがベクター・スペースシステムズのようにロケットエンジンの製造に3Dプリンターを使っている。ロケット製造の世界では3Dプリンターが必須の製造装置として定着しつつある。
ベクター・スペースシステムズは2016年設立。アリゾナ州タクソンに拠点を置き、小型ロケットの開発を行っている。同社には著名ベンチャーキャピタルのセコイアキャピタルも出資している。