米インディアナ州インディアナポリスに拠点を置く大手製薬企業のイーライリリー(Eli Lilly)が、米カリフォルニア州サンディエゴに拠点を置くスタートアップ系バイオ3Dプリンターメーカーのオーガノボの知的財産を1000万ドル(約15億2000万円)で買収する。
アメリカ現地メディアの報道によると、イーライリリーが買収するのはオーガノボが開発したファルネソイド・Xレセプタープログラム(FXR314)と呼ばれる創薬プラットフォーム。現在炎症性腸疾患(Inflammatory bowel disease)の患者に対する臨床試験第二フェーズにある同プログラムに関するノウハウなどを含めたすべての知的財産が対象になるとしている。
イーライリリーによるオーガノボの知的財産買収の報道を受け、NASDAQで取引されているオーガノボの株価は243%上昇し、一株1.27ドルで取引を終えた。
オーガノボは2007年設立のスタートアップ系バイオ3Dプリンターメーカー。これまでに肝臓の生細胞をベースにしたバイオ3Dプリンターなどを開発し、主に製薬企業にプラットフォームを提供・販売してきた。
イーライリリーは1901年設立の、アメリカの老舗製薬企業。売上高ベースでは世界第12位の規模で、主に感染症治療用抗生物質や糖尿病治療用遺伝子組み換えインスリンなどを開発、販売している。