ナノ・ディメンションの六人目の取締役が辞任

イスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションの取締役五名が株主総会で辞表を提出し、即日辞任したのに続き、取締役会の常連取締役一名も続いて辞任した。これにより、ナノ・ディメンションの取締役会はカナダの投資企業マーチンソンが推薦して選任された四名のみで構成される事態となった。。取締役会会長にはバハラヴ・ロバート・ポンズ氏が選任された。

マーチンソンはナノ・ディメンションの発行済み株式の7.1%を保有する筆頭株主で、ナノ・ディメンションの経営に積極的な関与を行ってきていた。2023年3月に開催されたナノ・ディメンションの臨時株主総会で自身が推薦する取締役二名を株主総会に選任させたのを皮切りに、ヨアヴ・スターンCEOが展開してきた一連のM&A戦略に対して否定的な活動を展開してきた。

現任取締役四名はプレスリリースを通じて、「新たに構成された取締役会は、引き続き強力なコーポレートガバナンスを維持し、株主利益を最大化させる事業計画を策定・実行してゆく所存です」というコメントを発表している。

ナノ・ディメンションは、買収したアメリカの3Dプリンターメーカーのデスクトップメタルに買収契約に違反したとして訴えられるなど、一連の買収戦略に綻びが見え始めている。ナノ・ディメンションの取締役会は、引き続きスターンCEOのM&Aに対して否定的な姿勢を取り続けると見られている。