VoxeljetがNASDAQから撤退

ドイツの工業用3Dプリンターメーカーで米NASDAQ上場のVoxeljetがNASDAQから撤退する。VoxeljetがSEC(米証券取引委員会)に提出した申請書によると、同社は2024年4月までにNASDAQでのすべての株式を上場停止とし、NASDAQから撤退する。これにより、2013年10月から取引されていたVoxeljetの株は、10年以上の時を経て市場から撤退することになる。

NASDAQ撤退の理由について、Voxeljetに近いある関係者は、Voxeljetに多額の投資を行っているアメリカのテクノロジー投資ファンドのアンズ・パートナーズの意向が影響しているとしている。アンズ・パートナーズは、最近Voxeljetとの550万ドル(約7億6500万円)の短期ローンに関する契約を改定したが、VoxeljetがNASDAQ上場を維持するために多額の費用を支出していることに難色を示していたとされる。

一方、NASDAQでのVoxeljetの株は、上場直後の2013年11月には294.95ドルの高値を付けたものの、その後時を経るごとに値を下げ続け、今年2024年3月には1ドルを下回るまでに低下している。

いずれにせよ、VoxeljetのNASDAQからの撤退は、Voxeljetにある程度の経営の自由度を与えることになると予想され、その後の展開に期待と注目が集まっている。

Voxeljetは、ドイツ・フライドバーグに拠点を置く3Dプリンターメーカー。主に砂型造形用大型3Dプリンターなどを製造している他、自社の3Dプリンターを使ったオンデマンド3Dプリンティングサービスを提供している。