オランダの大手化学メーカーのDSMが、スイスの化学メーカーのクラリアントのアディティブ・マニュファクチャリング事業を買収する。買収条件などの詳細な内容は明らかにされていないが、発表によると、DSMはクラリアントの3Dプリンター用フィラメント・パレット製造事業を譲り受け、社員の一部を雇用するという。
DSMのアディティブ・マニュファクチャリング担当副社長のヒューゴ・ダ・シルヴァ氏は、「クラリアントのチームと彼らの経験を我が社に向かい入れることに大変興奮しています。我々は同じ顧客ニーズにフォーカスしており、高い能力と経験を有しています。我々が一つになることで市場ニーズにより迅速に対応でき、より多くの素材を提供することが可能になります。モノづくりの世界で、アディティブ・マニュファクチャリングの可能性をさらに広げてゆくことができると信じています」とコメントしている。
DSMは、アディティブ・マニュファクチャリングの黎明期から業界に素材を提供している老舗企業。特にSLA方式、DLP方式の3Dプリンター用の各種の高機能樹脂素材を提供してきている。
クラリアントは1995年にスイスの大手製薬企業のサンド社からスピンオフした化学企業。バーゼルに拠点を置き、ケアケミカル、ミネラル素材、プラスチック、コーティング剤などの素材を産業ユーザーに提供している。同社は2010年代中頃よりアディティブ・マニュファクチャリング分野へ進出していた。