イタリアの3DプリンターメーカーのWASPが、ペレットPEEK3Dプリンター「デルタWASP2040テック」をリリースする。今月開催ドイツで開催されるFormnext2019で公開する。
デルタWASP2040テックは、WASPの医療アドバイザーで脳神経外科医のヴィリアン・ダローリオ博士と協働で開発したもので、医療機器の製造が可能な造形性能を確保しているとされる。
WASPによると、手術で利用可能な人工関節などをPEEKで製造することで、医療コストを相当削減することが可能になる。また、PEEKをペレットで造形することで、フィラメントを使った場合のコストを最大で10%まで削減できるという。
PEEKはポリエーテルエーテルケトンの略称を持つ、イギリスのICI社が開発した結晶性ポリマー。優れた機械的特性を合わせ持つ、熱可塑性の超耐熱高分子樹脂。従来にない特性を備えた結晶性樹脂で、耐熱性や耐薬品性、耐熱水性に優れるが、溶融温度が高いため、多くの一般的なFDM方式の3Dプリンターでは利用できない。
WASPは、デルタWASP2040テックの他に、二つの新型3DプリンターをFormnext2019で公開する予定。