インド初の3Dプリント住宅が完成し、現地の話題となっている。3Dプリント住宅を建設したのはスタートアップ企業のトゥヴァスタ・マニュファクチャリング・ソルーションズ。同社はIT企業のIITマドラスのスピンオフ企業。独自開発したコンクリート3Dプリンターを使い、平屋建て広さ55.75平方メートルの3Dプリント住宅をわずか5日で建設したという。
トゥヴァスタ・マニュファクチャリング・ソルーションズは、自社のウェブサイトで「3Dプリンティング技術を活用することで、従来の建設業で生じる落とし穴を回避することが出来ました。建設業におけるあらゆる種類の研究開発の可能性の扉を開けたと確信しています」とコメントしている。
3Dプリント住宅のお披露目会には、インドの財務大臣ニルマラ・シタラマン氏もオンラインで出席した。祝辞の中でシタラマン氏は、「従来の建設方式は時間、建材、ロジスティクス、輸送など、多くのものを必要とします。しかし、3Dプリンティング技術を活用すれば、住宅をわずか5日で建設出来ます。2022年には1億軒の住宅を建設することも夢ではありません」とコメントしている。
13億7000万人の人口を抱えるインドでは住宅不足が慢性化している。モディ首相は「ハウジング・フォー・オール(全ての人に住宅を)」政策を掲げ、住宅の供給を促しているが、住宅不足解消には至っていない。現地のメディアは、建設3Dプリンターの普及が、住宅不足解消のソルーションになる可能性があると期待を示している。