日本とフランスの建築デザイナーが3Dプリント茶室「TSUGINOTE TEA HOUSE」を建築

日本とフランスの建築デザイナーが、3Dプリント茶室「TSUGINOTE TEA HOUSE」を建築して話題になっている。

金沢市の金澤神社で公開された「TSUGINOTE TEA HOUSE」は、日本人建築デザイナーの厚見慶氏とフランス人建築デザイナーの二コラ・プレオ氏らがデザインしたもので、フラッシュフォージの3Dプリンターで作られた1000ピースのカスタマイズ部品を組み合わせて作られている。

両氏らは、3Dプリンターを活用することでデザインの自由度、デジタル建築生産、コスト削減、自由な組み立てと解体、再生可能な建材の利用など、新たな建築生産の可能性を示せたとしている。

厚見氏らは、建築業界において3Dプリンティング技術はコストや労力の削減、部品の最適化、そして環境負荷の軽減という可能性を秘めているものの、欧米型の3Dプリント建築は施工精度や可変性に課題を抱えていると主張している。「TSUGINOTE TEA HOUSE」では建築躯体を分割し、各構造部材を継手で接合するアプローチを提案している。これによりデザインの自由度と施工後の可変性を実現し、部材接合部の簡素化と部品点数の削減を目指すとしている。さらに木質素材を用いた3Dプリント建築生産により、林業の生産性向上と持続可能を目指すとしている。

なお、本研究はJSPS科研費 JP21K12561の助成を受けている。