オレゴン保健科学大学の医師が3Dプリンターで低価格人工呼吸器を製造

オレゴン保健科学大学の医師が3Dプリンターで低価格人工呼吸器を製造し、話題になっている。

人工呼吸器を製造したのはオレゴン保健科学大学に勤務するアルバート・チー医師。簡易型の人工呼吸器は酸素タンクにアタッチして稼働させる仕組みで、製造にかかったコストはわずか10ドル(約1100円)だという。人工呼吸器は現在、アメリカ食品医薬品局(FDA)が緊急承認審査をしている。チー医師は、簡易型の人工呼吸器を用いることで通常のサプライチェーンを超越し、真に必要としている患者へ直接提供できるとしている。

チー医師は、「現在の状況は危機的であり、手元に人工呼吸器がない状態ではトリアージをしなくてはならなくなります。それでは、本来死ななくてもよい患者を死なせてしまうことになります。この人工呼吸器を用いることで、そうしたシナリオを回避できる可能性が高まります」とコメントしている。

新型コロナウィルスの感染拡大が続くアメリカでは、未だ収束の兆しが見えていない。一部の州ではロックダウン解除などの動きを始めているものの、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ミシガン州などではロックダウン期間延長が決まっている。なお、本記事執筆時点でのオレゴン州の新型コロナウィルス感染数は2253人で、死亡者数は87人となっている。