米国立労働安全衛生研究所が3Dプリンター用素材の安全性ガイドラインを発表

米国立労働安全衛生研究所(National Institute for Occupational Safety and Health: NIOSH)が、3Dプリンター用素材の安全性ガイドラインを発表した。環境保護局と消費財安全委員会が行った調査を基にしたもので、FDM方式の3Dプリンター用フィラメントとメタルパウダーに関する安全性について助言している。

FDM方式の3Dプリンター用フィラメントについては、フィラメントを溶融する際に揮発性有機物質が発生するとして作業場所を換気することと、可能であれば空気清浄機を利用することを助言している。また、素材としては、ABSよりもPLAを使うことを助言している。また、作業場所を出来るだけ隔離し、リモートカメラなどを利用して遠隔で作業することを推奨している。

メタルパウダーについては、メタルパウダーを吸い込んだり、直接肌に触れる機会を最小限にし、健康管理に注意するよう促している。メタルパウダーについても、可能であれば空気清浄機を利用することなどを推奨している。また、メタルパウダーの管理を徹底し、作業を行う担当者以外によるアクセスを制限することなどを求めている。

3Dプリンターの普及が進む中、3Dプリンターによる健康・環境被害に関する関心が高まっている。アメリカの公的機関が3Dプリンター用素材の安全性ガイドラインを発表するのは、今回が初と見られる。

米国立労働安全衛生研究所は、業務関連傷害、疾病の防止を目的とした研究および勧告を行う連邦機関。米国疾病対策予防センター(CDC)傘下の組織として運営されている。