国際宇宙ステーションで3Dプリンターの利用が広がる

国際宇宙ステーション(ISS)で3Dプリンターの利用が広がっている。現在、国際宇宙ステーションでは二台の3Dプリンターが稼働しているが、将来的なさらなる利用拡大へ向け、試行錯誤が続けられている。

国際宇宙ステーションには、2014年に世界初の3DプリンターがNASA傘下のベンチャー企業のメイド・イン・スペースによって設置された。当初は地上から運搬された専用のフィラメントを素材に各種のツールやパーツなどが製造され、耐久性や実用性などが検証された。

二台目の3Dプリンターは2018年に設置されたアディティブ・マニュファクチャリング・ファシリティ(AMF)で、プラスチックごみなどから作られたリサイクル素材を使うタイプの3Dプリンター。3Dプリンター用素材を地上から運搬するには相当のコストが必要なため、関係者は現在、このタイプの3Dプリンターにより注目している。

AMFなどの運用により得られた経験とノウハウは、将来予定されているアルテミス有人月面探査計画にも活用されるとしている。

国際宇宙ステーションはアメリカ、日本、ロシア、カナダ、欧州宇宙機関参加国の15カ国が共同で運用している。2011年7月から運用開始され、現在のところ2024年まで運用される予定。